ny-journal 暮らしのエッセイ

ニューヨーク暮らしのエッセイ

小林恵
ボーブリッジからダコタハウスを眺める今昔

冬になると、凍った湖でアイススケートを楽しむ昔のニューヨーカー(1888年)
生い茂った緑の奥にダコタハウスが見える。ボートを楽しむ現代のニューヨーカー

※何処からでも摩天楼が見えるのは冬だけです。木が茂ると見える個所は極小です。

 郊外に住む大金持ちはニューヨークの近郊で一泊して、馬やキャリッジを洗いファッショナブルな洋服に着替えました。
西72丁目からベセスダ テラスを通って5番街に横切るドライブウエイは当時金持ち用キャリエッジ(馬車)のプロムナードとして作られたものです。それからニューヨークの住まいまで背筋を伸ばし、馬車の上から道行く人を眺め、通りの人からは羨望の目で見上げられる"成功の花道”と言われたところです。
72丁目のキャリエッジドライブ エッチング:19世紀末
提供:MUSEUM OF THE CITY OF NEW YORK
西72丁目ウエッブスターの銅像の昔と現在

エッチング:1886年年セントラルパークの馬そり
Harper's Weekly
 またアメリカン エルムの茂る美しい散歩道”モール”はお金持ちたちが洋服を作るとお付きを従えて散策したプロムナードです。見せて見られるオープンエアの晴れ舞台でもありました。楽しみはさまざま、貧乏人は周りのベンチでそのショーとゴシップを楽しんだのです。

1895年日曜日のモール写真(ニューヨーク歴史協会) 
同じ所で写した現在のモール

昔のテラスからモールを見る
 エッチング:1867年(ニューヨーク市立美術館)

同じ場所からとった現在の写真


ボーブリッジの今昔 エッチング:1862年(CURRIER & IVES collection)

 お勧めはセントラルパークで道草をしながら一人で歩いてみるのが1番です。マンハッタンのまんなかで自然と対話する一人、考えてもみなかった発見があります。グループや団体で歩いたとしたら芭蕉は俳句を読まなかったに違いありません。

パークで一人を楽しむ人々

 現在、維持費の85%の資金は市民の寄付に支えられ、市民と密接したフレンドリーな誰でもが楽しめるパークなのです。ベンチの背に、舗道に、噴水や花壺などパークのいたるところに寄付した人の刻印が押されています。
チェリーヒルの噴水の修復を寄贈した笹川良一の名前と噴水の写真
ワーナーから寄付された花壺
大理石の6角形のタイルには寄付した樹木と氏名が刻印されている
ベンチの背に貼られた寄贈者氏名と舗道に埋められている大理石

すべて人工で作られた145年も経たパークですが,今もそのままの姿で
ニューヨーカーに安らぎを提供しています。
続く...

セントラルパーク現在の写真撮影:小林恵

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